身体にはいいけど妊婦は注意!大豆イソフラボンの過剰摂取が招く結果


大豆と言えば、身体に良いというイメージが強いですよね。女性の場合には特に、大豆イソフラボンが美容にも良いということで、豆乳なども積極的に摂取している方もとても多いと思います。ですが、実は妊娠中にはこの大豆イソフラボンの摂取は控えめにしたほうが良いと言われています。そこでここでは、どうして妊娠中に豆乳などの大豆イソフラボンを含むものを控えなくてはならないのか、その理由を確認していきたいと思います。

豆乳の栄養素

大豆イソフラボンと聞いて一番に思い浮かぶものと言えば、「豆乳」なのではないでしょうか。豆乳には、鉄分・カルシウム・タンパク質・ビタミンをはじめ、大豆イソフラボンが豊富に含まれており、たくさんの栄養を含んでいることから赤ちゃんにもいい影響を与えるような気がしますよね。牛乳に比べて低カロリーであることや、アレルギーの心配が少ないことから豆乳を選ぶ方も多いと思います。
そして、大豆イソフラボンは、卵胞ホルモンと同じような働きをすることで、女性らしい身体をつくり、乳がん予防・骨粗鬆症予防などにも効果が期待できます。

大豆イソフラボンの過剰摂取は危険!

大豆イソフラボンやそれを豊富に含む豆乳などは身体に良さそうに思えるのですが、実は大豆イソフラボンの過剰摂取には、以下のような危険性があります。

  • ホルモンバランスの偏り
  • 胎児の発育への悪影響
  • 妊娠の継続の困難

大豆イソフラボンの過剰摂取は、妊婦さんだけではなく胎児にもこのような影響を与えてしまう可能性があるのです。
先ほど、大豆イソフラボンは卵胞ホルモンと同じような働きをするとご説明しました。女性ホルモンには、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類のホルモンがあり、これらがバランスを取り合いながら、妊娠と出産をサポートしてくれています。双方のバランスをとることで、胎児の正常な発育を助けてくれているのですね。
にも関わらず、大豆イソフラボンの過剰摂取によって卵胞ホルモンの働きだけが強くなると、ホルモンバランスが崩れて胎児の発育に悪影響が出てしまいます。胎児の発育に悪影響を及ぼすだけではなく、妊娠の継続さえも困難になる可能性があるため、過剰摂取はなんとしてでも避けなくてはならないことなのですね。

遺伝子への異常作用がある?!

食品安全委員会が動物実験を行った結果、大豆イソフラボンは遺伝子(トポイソメラーゼⅡ)への異常作用があることが認められています。適量なら身体にいい影響を与えてくれるものですが、過剰摂取は妊婦さんにとって非常に危険であることが分かります。

適量ってどのくらい?

では、大豆イソフラボンの適量とはどのくらいの量を指すのでしょうか。同じく食品安全委員会によりますと、1日摂取目安量の上限値が70mg~75mgとなっています。この量は、豆乳を大体コップ2杯分です。
これは妊娠していてもしていなくても同じ量となりますが、大豆イソフラボンが含まれている納豆や豆腐などの普段の食事や豆乳などでも自然に摂取していますので、サプリメントなどから追加で摂取することは避けなくてはなりません。
ちなみに、納豆なら1パックで約36mg、木綿豆腐なら半分で約42mgもの大豆イソフラボンを摂取することができます。こうしてみてみると、食事だけでも1日の摂取目安量の上限に達してしまうこともあるということが分かります。

おわりに

大豆イソフラボンが豊富な豆乳は、栄養バランスがとても良いため適量なら身体に良い影響を与えてくれます。ですが、これを飲みすぎてしまうことで妊婦さんにも赤ちゃんにも悪影響となる可能性があるため、1日の目安量をしっかりと守ることが大切になります。
自分だけの身体ではないということをしっかりと頭に入れて、赤ちゃんに悪影響がないように生活していきたいですね。

参考サイト

厚生労働省:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A
食品安全委員会:大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A