妊娠中に注意すべきことはたくさんありますが、中でも気をつけたいのが「喫煙」です。普段からタバコを吸っているという方は、妊娠中でも問題はないと思われているかもしれませんが、それは大きな間違いです。
タバコを吸うことで、胎児にどのような影響を与えてしまうのかということについて、しっかりと確認していきましょう。
どうして妊娠中の喫煙はダメなの?
妊娠中にタバコを吸うことは、まだ産まれてもいない赤ちゃんを虐待していることと同じです。タバコに含まれているニコチンは、血管を収縮させ、血行を悪くするという働きがあります。血行が悪くなると、酸素や栄養素が赤ちゃんに届かなくなってしまいます。さらに、タバコ(煙)に含まれている4,000もの有害物質が、胎盤を通して赤ちゃんに届いてしまいます。これはつまり、動けない赤ちゃんに対して虐待を加えていることと何ら変わりありません。
胎盤の機能が低下してしまうことで、流産や早産の危険性が高まる他、低体重児になるリスクも増加します。
さらに、妊娠中の喫煙は、産まれてきた赤ちゃんに対しても悪影響を及ぼします。赤ちゃんが眠っている間に突然死してしまうという恐ろしい疾患で、「乳幼児突然死症候群」というものがあります。これは、両親が喫煙してる場合には発症率が約4.7倍にも増加するとされているのです。
受動喫煙もNG!
妊娠中に妊婦さん自身がタバコをやめれば良いだけだと思っている方もおられるかもしれませんが、実はタバコが胎児に与える影響は、受動喫煙であっても変わりありません。旦那さんがタバコを吸っていてその煙を吸い込むことが多いという方や、職場に喫煙者が多数いるという方の場合、同じように悪影響を受けると思っておいたほうがいいと言われています。
できるだけ周囲の喫煙者にも協力と理解を求め、分煙に協力をしてもらったり、旦那さんには禁煙してもらう等、声掛けが必要となります。それを拒否するような旦那さんであれば、タバコがいかに赤ちゃんに悪影響を及ぼすのかを説明してみてくださいね。
タバコをやめるには・・・?
タバコは一度す吸いはじめると、なかなかやめることができないと言われています。禁煙すると言ってから何日経っても禁煙できない方も多いですよね。妊娠中の禁煙のポイントとしては、やはり「お腹の中の我が子を想う気持ち」です。自分がタバコを吸い続けることによって、赤ちゃんが苦しい思いをしているということを考えてみてください。
どうしてもやめられないという方の場合、タバコを吸いたくなったらガムを噛んだり飴をなめたりして口寂しさを紛らわすようにすると効果的です。普段メンソールのタバコを吸っているという方の場合、歯磨きもおすすめです。
おわりに
タバコをやめる・やめないというのは本人の問題であり本人次第となってしまいますが、その結果後悔することになるのも、妊娠中にタバコを吸っている方本人です。自分がタバコをやめなかったばっかりに、我が子が・・・と後悔してしまうことがないようにするために、今一度、しっかり喫煙と胎児への影響について考えていただけたらと思います。
参考サイト
乳幼児突然死症候群(SIDS)について|厚生労働省
受動喫煙とこどもの健康:ファクトシート – 日本禁煙学会
喫煙の妊娠出産などへの影響 – e-ヘルスネット – 厚生労働省