妊娠中には体力をつけておくことが大切だという話もあるのですが、その一方で、妊娠中に運動をすることで流産しやすくなるなんて話を聞いたことがある方もおられるのではないでしょうか。
普段から運動することが好きだという方や、出産に向けて体力をつけたいという方からすれば、「一体どっちなの?」と疑問に思ってしまいますよね。妊娠中の運動は危険なのか、身体の動かし方のポイントなどはあるのか等、チェックしていきましょう。
そもそも運動しても大丈夫なの?流産に繋がる可能性は?
妊娠中の運動は流産に繋がる危険性があるというような話もありますが、そもそも妊娠中に運動をすることには、問題はないのでしょうか。流産の原因は染色体異常や身体の冷えなどがあり、妊娠初期の運動が原因で流産してしまうということはほぼないと言われています。もちろん、ボクシング、サイクリング、バレー、テニス、マラソン、トランポリンなどのハードな運動や子宮を刺激してしまう運動などを行う場合には流産の危険性もありますが、軽い運動で流産してしまうことはほぼありません。
むしろ、妊娠初期や妊娠中に適度な運動を行うことで、血行がよくなり、子宮に十分な栄養を送り届けることができるようになります。血行不良や栄養不足などで胎児が未発達となっている状態の場合には流産になることもありますが、適度な運動を行うことで子宮がしっかりと発育を行える状態になっていれば、流産を予防することも可能です。さらに、便秘の解消や冷え性の解消など、適度に運動することによって妊婦さんの体調を整え、妊娠・出産にいい影響を及ぼしてくれます。
どんな運動ならいいの?ポイントは?
妊娠初期の運動が流産に繋がることはほぼないとは言え、激しい運動は禁物です。マラソン、トランポリンなど子宮が上下に激しく揺さぶられるような運動や、球技など子宮にダメージが与えられる可能性がある運動、転倒によって子宮が圧迫される可能性がある自転車での移動などは危険です。
そこで、妊娠中におすすめとなる運動は「ウォーキング」です。ウォーキングは子宮が激しく動くこともなく、圧迫されることもなく、転倒の危険性もきわめて低くなります。
ウォーキングのポイントとしては以下のような点があります。
- 重たいものをもって歩かない
- 途中で水分補給はしっかりする
- 体調が悪い時には無理をしないこと
- 歩き慣れている道を選ぶ
- 大通りは避ける
- 1日30分程度を目安にする
このような点が、妊娠中にウォーキングを行うポイントとなります。
基本的には毎日行うように心がけたいところですが、つわりがあったり気分が悪い状態で行うことは避けてください。重たいものは持たないようにしたいのですが、万が一の時のために母子手帳やスマホなどは持ち歩くようにしましょう。音楽を聞きながら歩こうとすると、自転車や車の音などが聞こえづらくなり事故に繋がる危険性がありますので、そのような行為は避けるようにしてくださいね。
無理だけは絶対にしないこと
妊娠中の方が一番気をつけなくてはならないことは、”無理をしないこと”です。適度な運動は妊娠中の身体にとっていい影響を及ぼしますが、妊婦さん一人ひとりによって体調や妊娠の状態が異なります。
少しでも気になる点があれば医師に相談し、運動してもいいかどうかを聞いてみることも大切です。
おわりに
妊娠中には無理のないウォーキングでの運動を取り入れることによって、心身ともに安定しやすくなります。ただ、はじめから無理をして1日30分という決まりを作る必要はありません。自分が続けやすい目標を立ててみてください。流産を予防して元気な赤ちゃんを産むためにも、適度な運動を意識するように心がけてみてくださいね。